日々思うこと

紀宮さまの結婚と七五三

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天皇、皇后両陛下の長女・紀宮さま(36歳)と東京都職員・黒田慶樹さん(40歳)の結婚式が、11月15日の「大安」の火曜日に帝国ホテルにおいて神前式で行われることになりました。

黒田家の使者が皇居を訪れ、両陛下に挙式の日取りを伝える『告期(こっき)の儀』は10月26日、紀宮さまが両陛下に結婚の挨拶をされる『朝見(ちょうけん)の儀』は、11月12日に行う方向で日程の調整が行われております。

お二人の婚約内定は、昨年12月30日に発表され、今年3月19日の『納采(のうさい)の儀』で正式に婚約が整いました。天皇家の皇女の結婚は、昭和天皇の五女・島津貴子さん〔清宮(すがのみや)〕以来45年ぶりだということです。

この発表によって、帝国ホテルの株価が17日の東証の前場では買い注文が相次ぎ、一時終値比330円高の2530円をつけるご祝儀相場になりました。

ここ近年、結婚式のスタイルも変化して神前結婚式からチャペルでの結婚式や人前結婚式が増えてきました。レストランウエディングなど身内だけの「地味婚」ブームや少子化などで、ホテル挙式全体に逆風も吹いていたなかでの紀宮様のご結婚式は、紀宮さま効果にあやかってホテル業界をはじめブライダル市場全体が活気づいていくことと思います。

また、同じように誕生日や入学式、結婚記念日など節を大切にする日々を送りたいものと考えております。11月15日は七五三という一つの節です。赤ちゃん(幼児)から子ども(児童)になることをお祝いする行事"七五三"の起源については諸説あるようですが、平安時代中頃から公家の間で行われていた三歳から七~八歳までの男女のお祝いの儀式を起源とし、江戸時代から今日のように11月15日に神社に詣でるようになったようです。また七・五・三という数字は、中国の陰陽道の考え方で奇数を陽とする、吉とすることからきているようです。3月3日―ひな祭り、5月5日―端午の節句、7月7日―七夕などはその例です。

『七五三共育』という考え方があります。人間は、欠点ばかり注意されていては自身を失ってしまいます。誰にでも良いところ、長所があるはずです。その長所を認め、誉めてあげ、悪い点があれば叱ればよいのです。そして、欠点・短所よりも長所を多く見つけ出すことが大事です。「七つ誉め、五つ教えて、三つ叱る」これが七五三共育という考え方です。

「まず誉める」を実践することにより、明るい環境をつくることになります。それが、皆が育つ「共育」になるのだと思います。三代将軍徳川家光公が、四男・徳松君(後の五代将軍綱吉公)が病弱であることを心配し、無事の成長を祈り袴儀の儀式を執り行ったのが11月15日であり、やがて庶民もこれにならい子どもの成長を祝いさらなる成長を祈る歳祝いを、この日に行うようになったそうです。昔は、医療が現在のように発達していたわけではなく、乳幼児の死亡率は極めて高く、七歳までに亡くなる子どもが非常に多い時代でした。子どもは、『七つ前は神の子』と言われ人間社会の一員と考えず、急逝しても神様が自分の子どもを連れて行ったものと考えていたわけです。義務教育の教育制度が導入されてからも、小学校への入学は七歳になる年からです。呼び方も幼児から児童へと変わります。

また、童謡の『とおりゃんせ』は、七五三のお祝いに天神様にお札を納めることが謡われていますが、そこには子どもが七歳を無事に迎えることへの親の喜び(行きはよいよい・・・)と、それでもまだ心に残る不安(帰りは怖い・・・)が同時にみてとれます。子どもの童謡の中にまで親の安心と不安が謡われるほど、乳幼児の死亡率は高く、常に親は命危うい我が子の成長に絶えず気遣っていたのが伺えます。

七・五・三という節目で我が子の無事の成長を確認し、神に感謝しまた祈る。いつの世も我が子の健やかな成長は親の願いです。時代が変わっても、国籍や民族が変わっても変わらない親の愛情がそこにあります。私たちは、親の愛情の中で大切に育てられ生かされてきました。社会に出てからもいろんな人とのつながりの中で、お互いが支えあい助け合って生活をし、自然の恵みをもって生かされているわけです。生かされていることを忘れず、与えられた命に感謝し、謙虚にやさしさをもって生きて行きたいものです。

それが日々の生活の中で原点に返り、また新しいスタートを切るための契機になるのだと思います。